注目して欲しいのは3つのテクノロジー

3Dの登場により新たな時代を迎えた映像表現の世界。その最先端ともいうべき作品が、現在公開中の映画「トロン:レガシー」だ。この作品には、あの「アバター」をもしのぐ、驚くべき最新映像テクノロジーの成果の出会いが登場する。

「今回、注目して欲しいテクノロジーは3つ。ひとつは、『アバター』で使用されたものより進化したカメラで撮影したフル3D映像。それから“トロンスーツ”と呼ばれる発光する衣裳。そして、もっとも注目して欲しいのが、登場人物。ジェフ・ブリッジス演じる主人公の若き日の姿をした分身なんですが、我々はこのキャラクターをフルデジタルで作り上げたんです。おそらくこれは現在のビジュアルエフェクトの世界の中でも、もっとも難しいチャレンジだったと思いますね」

そう語るのは、ジョセフ・コジンスキー監督。CMクリエーターとしてしてきた彼にとって、これが初の映画作品となる。

「3Dでの撮影は、通常の2D撮影とは比べられないほど大変でした。3Dカメラは大きくて扱いにくいものだったし、より自然な3D映像に仕上げるために、カメラの配置や角度など考えなければいけないことがたくさんあって。まるで誰かを背負って山道を登ってるような気分でしたね(笑)」

大学時代に建築学を学び、同じく建築畑出身の巨匠アントニオーニ監督から強く影響を受けたという彼は、現在もコロンビア大学の助教授として3Dモデルやグラフィックの研究を続ける異色の“映像プロフェッサー”でもある。
「現在の3D映画には、2Dに比べて画面が暗いという弱点があるのですが、それを解消するための研究が今も世界中で行われていますから。映画はこれからもどんどん進歩していくと思いますよ」